物理も暗記は必要。大事なのは覚え方。
高校物理を勉強していて、物理に苦手意識を感じる人は、
- 物理の公式が覚えられない、使い方を間違える…どうしたら良いの…
- 何か公式を覚える良い方法はないのかな
- そもそも暗記をせずに済む良い方法はないのかな
といった悩みを抱える方が多いように思います。
そこで今回は、
- 物理も暗記は必要
- 覚える順番が大事
というお話をします。
この記事を読めば、
- なぜ物理に暗記が必要なのか
- 何から覚えていけば良いか
が分かると思います。
物理の勉強をしていく上でとても大事なことなので、ぜひ最後まで読んでみてください。
物理も暗記は必要
私は物理を勉強する上で、暗記=「覚える」ことは必要だと思っています。
なぜ暗記が必要なのかというと、英語と同様、「単語」と「文法」を覚えないと何もできないからです。
どういうことかというと、まず、ここでいう「単語」とは、物理量(速さ、力、加速度など)のことです。そして、「文法」は、物理法則のことを指しています。力のつりあい、とか、力学的エネルギー保存則、などのことですね。
そして、多くの物理法則はいくつかの物理量の関係を数式で表したものになっています。
例えば運動方程式は、ma = F、でしたね。
この物理法則は、質量、加速度、力、という3つの物理量の関係をあらわす数式になっています。
物理では、上記のような「物理法則を組み合わせて問題を解いていく」、というのが基本になります。
つまり、覚えるべきは、
- 「物理量の意味」:単語
- 「物理法則の意味」:文法
です。これを覚えるのが出発点になります。
物理量の意味
では、「物理量の意味」とは何か。
それは、「定義」です。
例えば、速度の定義なら、教科書には「単位時間あたりの変位」などと書いてあるかと思います。
そのまま覚えても、もちろん良いと思いますが、もう少しイメージが湧きやすい覚え方をしても良いかもしれません。
正確に覚えることも大事ですが、自分の覚えやすい(イメージしやすい)言葉で覚える方が身につきやすいと思います。
「単位時間あたり」は「ある時間で」、「変位」は「どれだけ動いたか」などと読みかえると、
「速度の意味」は「物体がある時間でどれだけ動いたか」
になります。多少はイメージしやすくなったでしょうか?
大事なのはイメージできる=意味がわかることです。自分の覚えやすい言葉で覚えてみてください。
物理法則の意味
次は「物理法則の意味」です。
誤解を恐れずにざっくり書くと、たいていの物理法則は「こういう時にはこの物理量とこの物理量にこんな関係がありますよ」ということを言っています。
今度は、力学的エネルギー保存則を例にして考えてみましょう。
力学的エネルギーは二種類あって、それぞれ「運動エネルギー」と「位置エネルギー」といいます。
高校物理によく出て来る位置エネルギーはさらに二種類あって、それぞれ「重力による位置エネルギー」「弾性力による位置エネルギー」といいます。
では、力学的エネルギー保存則は、「運動エネルギー」と「重力による位置エネルギー」と「弾性力による位置エネルギー」には
「運動エネルギー」+「重力による位置エネルギー」+「弾性力による位置エネルギー」= 一定
という関係がありますよ、と言っているかというと、少しだけ違います。
何が違うかというと、「どんな時に」が抜けています。
これは割と大事なことで、例の力学的エネルギー保存則は成り立たない時もあります。
どんな時かというと、摩擦力や空気抵抗といった力が運動の方向にはたらく時です。この時は摩擦などによって力学的エネルギーが熱エネルギーという別のものに変わってしまうため、力学的エネルギー保存則は成り立ちません。
「この法則はどんな時に成り立つか」も覚えておくと、「今回はこの法則は使えないな」という判断ができるようになるのでオススメです。
力学的エネルギー保存則については、以下のような覚え方をすると良いのではないかと思います。
「力学的エネルギー保存則」は「運動の方向に重力と弾性力以外の力がはたらかない時、運動エネルギーと位置エネルギーには、運動エネルギー+位置エネルギー=一定という関係がある」という法則のこと。
少し長いですが、分解すると、
- どんな時に成り立つか
- どんな物理量が登場するか
- どんな関係があるか
を覚えれば良いことが分かると思います。
他の法則や公式でも試してみてください。
物理の法則や公式を覚えるための手順
ここまでの話でなんとなく、「何を覚えれば良いか」は見えてきたでしょうか?
ここまで来ることができれば、あとは問題を解きながら身につけていくだけです。
以下で具体的な手順を紹介して終わろうと思います。
その前に覚える順番ですが、まず分野は力学がいいと思います。
そして、使えるようになりたい法則や公式を選び、そこに登場する物理量の意味を確認しましょう。ここで完璧に暗記する必要はありません。後で問題を解きながら覚えていきましょう。
登場する物理量の意味を確認したら、法則の意味を確認しましょう。これも完璧に覚える必要はありません。
次は使いたい法則を使う問題を選びましょう。その法則や公式が出てくる章に対応する練習問題が載っていると思います。
あとは、物理量の意味や法則の意味をチラ見しながら問題を解くだけです。
まとめると、物理の法則や公式を覚える手順は以下です。
- 使えるようになりたい法則(公式)を選ぶ
- 登場する物理量の意味を確認する
- 法則(公式)の意味を確認する
- 練習用の問題を選ぶ
- 問題を解く
これを何問か繰り返せば、十分使えるレベルで覚えると思います。
さっそくやってみてください。
まとめ
今回は、
- 物理も暗記は必要
- 物理の法則や公式を覚えるための手順
という話を紹介しました。
「何を暗記すれば良いか」を確認したら、「物理の法則や公式を覚えるための手順」を実践して、いろんな物理の法則や公式を使えるようになりましょう。
使えるものが増えると物理は楽しくなってきますよ。
お役に立てれば幸いです。
それではまた。