物理と魔法の狭間に

物理×創作の話題を中心に

物理の基礎を勉強する方法

 

  • 物理は基礎が大事と言われるけど、そもそも何が基礎なのかよく分からない
  • 物理の基礎を勉強したいけど、何から始めればいいか分からない

今回の記事では上記のような悩みに答えます。

この記事を読めば、

  • 物理の基礎とは何か
  • なぜ基礎が大事なのか
  • 物理の基礎を身につけるためには何をすれば良いか

が分かると思います。
後半の方で具体的な勉強法についても触れています。
物理に苦手意識のある方や、物理の成績が伸びなくて悩んでいる方はぜひ読んでみてください。

(物理の基礎は理解しているのでもっとレベルの高いところまで物理を理解したい!という気概に溢れる方は、微積物理という物についての記事を書いたので参考にしてみてください。理系進学するなら微積物理はやっておくべきか - ご機嫌物理屋ブログ )

 
物理の基礎とは何か

結論です。
物理の基礎とは、基本法則のことです。
例えば力学なら、運動の3法則、力学的エネルギー保存則などのことです。
特に、これらの基本法則を使って式を作り、それを組み合わせて解く力、これがとても大事です。

私は現在、大学院で物理に関する研究をしていますが、正直、
物理の基礎とは何か?
と問われて即答できる人は物理学科の大学生でもそんなにいないな、と感じています。
物理の基礎は物理を専門に勉強している大学生ですらよく分かっていないほど難しいことなのか、と思うかもしれませんがそうではありません。
大学の物理系の学科といえど、たくさん勉強をして、物理をなんとなく理解して、なんとなく公式を覚えて、なんとなく物理が得意になったから受かった。そんな人が多い印象です。
しかし、あまり物理が得意でない場合、このようななんとなくの理解では中々テストで点が取れなかったり、面白く感じなかったりするのではないかと思います。
そんな方たちこそ、物理の基礎さえ分かれば、テストで点が取れるようになったり、物理を面白いと感じるようになる、と私は考えています。


なぜ基礎が大事なのか

先ほど、物理の基礎とは基本法則のことだ、という話をしました。
では、なぜ基本法則が大事なのか。
それは、高校物理の問題の多くが、その基本法則を使えば解ける問題になっているからです(もっと深い意味で基礎が大事だと言っている方もいるとは思いますが、「高校物理」は問題を解けた方がモチベーションが上がり面白さも実感しやすいと私は考えています)。模試などの偏差値でいうと、50くらいなら基本法則の使い方さえ知っていれば十分到達できると思います。また、それ以上を目指すときの土台にもなります。
まずは、はじめの一歩として、教科書に書いてある基本法則の名前と意味を1回読み上げてみましょう。どれでも構いませんが、はじめは力学の法則がオススメです。
例えば、
運動方程式(運動の第2法則)
:物体に力がはたらくと、力の向きに速度が変化する。速度の変化の大きさは力の大きさに比例し、物体の質量に反比例する。
と言った感じです。速度の変化は加速度のことなので、式にすると、a = F / m 、書き換えると、ma = F ですね。
はじめに読むのは1回で十分です。実際に問題を解く練習をしながら覚えていきましょう。

次は実際に教科書や問題集を使って、物理の基礎=基本法則を身につける方法についてお話しします。
(物理の教科書や問題集を1冊も持っていないという方は、シグマ基本問題集がお手頃でオススメです。以下にリンクを貼っておくので購入を検討してみてください。図書館で借りるというのも1つの手だと思います。)

 

シグマ基本問題集 物理 (基本問題集 新課程版)

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物理の基礎を身につけるには何をすれば良いか

基本法則の名前と意味を確認したら、次は実際に問題を解きながら練習しましょう。
手元にある物理の教科書や問題集で大丈夫です。その中の例題や練習問題を使うのが良いと思います。
いろんな問題があると思いますが、今回は基本法則の使い方を練習したいので、その法則を使う問題を選びましょう。
例えば、練習したい基本法則が運動方程式なら、
運動方程式をたてよ」
「力のつりあいの式をたてよ」
といった言葉が出てくる問題を選びましょう。
問題を選んだら、次は問題文を読んで問題の状況設定を把握してみましょう。ここは人によっては少し大変かもしれません。考えている状況がよく分からないな、と感じたら解答を見てしまって構いません。それでもよく分からなかったら別の問題を選びましょう。
問題の状況設定が把握できたら、いよいよ設問の通り、基本法則を使ってみましょう。
例えば以下のような感じです。

問題
:質量mのボールを鉛直上向きに投げ上げた。鉛直上向きを正の向き、重力加速度をg、ボールの加速度をaとして、ボールの運動方程式を立ててください(空気抵抗は考えないことにします)。

状況設定の把握の例
:重力加速度はg、鉛直上向きが正なので、ボールにはたらく重力は-mg。この問題では壁にぶつかったり、糸につながれていたりはしてないので、その他に働く力は無さそう。

解答例
:ボールの質量はm、加速度はa、ボールにはたらく力は重力mgのみなので、運動方程式は、ma = -mg である。

実際にはここまで詳しく書かなくても良いですが、はじめのうちは考えたことをたくさん書いていくと良いと思います。
状況設定を把握するときの注意点は、物理の問題ではなるべく簡単な状況設定にしている、という点です。難しく考えずに、問題文から読み取れる一番簡単な状況はなにか、を考えましょう。

これを何問か繰り返せば、その基本法則はある程度使えるようになると思います。
そして、上の例のように、

  • 練習したい基本法則を選ぶ
  • その基本法則を使う問題を選ぶ
  • 問題の状況設定を把握する
  • 実際に法則を使ってみる

という作業を繰り返していけば、物理の基礎が身についていくと思います。
実際にやってみてください。


まとめ

今回は、

  • 物理の基礎とは何か
  • なぜ基礎が大事なのか
  • 物理の基礎を身につけるには何をすれば良いか

についてお話ししました。
ざっくりまとめると、物理の基礎とは基本法則のことで、基本法則を使えれば多くの問題が解けるので基礎が大事。

基礎を身につける練習方法は、

  1. 練習したい基本法則を選ぶ
  2. その基本法則を使う問題を選ぶ
  3. 問題の状況設定を把握する
  4. 実際に法則を使ってみる

を何問か実践してみること。
という感じです。
さっそく試してみましょう。

お役に立てれば幸いです。